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「歴史をかえた誤訳」 (鳥飼 玖美子)

歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)
(2004/03)
鳥飼 玖美子

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前回は定冠詞の有無をどう解釈するかが論議となった国連決議について書いたが、このエピソードは、世界情勢や歴史の本に書かれていて、これまで何回かお目にかかったものだ。しかし(あくまで私が見た限りだが)英語の学習書で目にした記憶はない。定冠詞を説明する上で比較的わかりやすい例だと思うし、歴史的なエピソードとしても意味があると思うのだが。

冠詞、ひいては英語の「こわさ」を示す話だけに、学習者を萎縮させてしまい、適切ではないと思われているのか。あるいは、こうした国際情勢をめぐる「小難しい話」は、学習書になじまないと考えられているのか。それとも、英語の専門家の方々が興味を持たない、あるいは知らないだけなのか。

もしかしたら実際には取り上げている英語学習書があり、私が知らないだけかもしれないが、別にこの例でなくてもいいので、こうした歴史上の実例を盛り込んだ英語学習書がもっと増えてもいいのでは、と個人的には思っている。

さて、今回紹介するのは学習書ではなく、一般の文庫本だが、英語が絡んだ外交上のトラブルなどについてわかりやすく書いたものだ。著者の鳥飼玖美子教授は、私の世代にとっては、マスコミで脚光を浴びた「同時通訳の鳥飼さん」という方が通りがいいだろう。

取り上げられているのは戦後の日本の外交が中心で、中東和平をめぐる先日の実例は取り上げられていないが、自分の国にかかわるエピソードの方が、中東の話より興味が湧くのではないかとも思う。

ポツダム宣言についての「黙殺」発言問題も取り上げているが、「通説」の域を出ていないのが、先日紹介した本を読んだ身には不正確に映り、ちょっと残念ではある。しかしそれ以外に、「中曽根首相の”不沈空母”発言」や「日米構造協議」、「周辺事態」など、英語と日本語の意味のズレが日米の間に認識の違いを生んだ例などを説明しており、興味深く読むことができた。

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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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