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キューバ危機での「イエスかノーか」

13デイズ [DVD]

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前回取り上げたアドレイ・スティーブンソンを私が知ったのは、「キューバ危機」についてのドキュメンタリーか何かによってだった。核戦争の瀬戸際まで米ソの対立が深まったこの事件の時に国連大使だった彼は、キューバにミサイルを配備したのか否か、ソ連の国連大使に "Yes or no? Don't wait for the translation." と返答を迫った。 Wikipedia には
His most famous moment came on October 25, 1962, during the Cuban missile crisis, when he gave a presentation at an emergency session of the Security Council.
( http://en.wikipedia.org/wiki/Adlai_Stevenson )
と書かれていて、スティーブンソンといえばこの挿話、といえるほど名だたるもののようだ。キューバ危機を描いた映画「13デイズ」 Thirteen Days でも見せ場のひとつとして再現されていた。
安保理でのやりとりを一部引用すると、スティーブンソンが
"Do you, Ambassador Zorin, deny that the U.S.S.R. has placed and is placing medium-and intermediate-range missiles and sites in Cuba? Yes or no -- don't wait for the translation -- yes or no?"
と質したのに対してソ連の大使が "I am not in an American courtroom, sir, and I do not wish to answer a question put to me in the manner in which a prosecutor does." とかわそうとすると、スティーブンソンは、
"You are in the courtroom of world opinion right now, and you can answer yes or no."
と重ねて迫る。ソ連大使が "You will have your answer in due course." と逃げると、
"I am prepared to wait for my answer until hell freezes over, if that's your decision."
と畳みかけ、その上でアメリカが撮影した証拠写真を提示して説明していく。大統領選挙で共和党候補に二度敗れていた彼は、国内政治的には過去の人になりつつあったと思うが、いい意味での「老犬」ぶりを国連の場で発揮したということか。 ちなみに上に出てきた until hell freezes over という表現についてオンライン辞書には、
till hell freezes over
Inf. forever. (Use caution with hell.)
That's all right, boss; I can wait till hell freezes over for your answer. I'll be here till hell freezes over.
( http://idioms.thefreedictionary.com/till+hell+freezes+over )
とある。また「ホテル・カリフォルニア」で有名なイーグルス Eagles が1994年に再結成した後の初アルバムのタイトルが "Hell Freezes Over" だったことを知った。最近では Eminem がこのイディオムと同じ題の曲を作っているようだ さらに余談だが、"yes or no" といえば、太平洋戦争の初期、シンガポールを陥落させた山下奉文将軍がイギリスのパーシバル将軍に「降伏するか、イエスかノーか」と迫ったという挿話を連想した。 もっとも、以前紹介した誤訳についての本『「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった』によれば、山下中将はパーシバルを威圧するつもりはなく、部下の通訳が下手で停戦交渉が円滑に進まなかったのに苛立ったのだという。この本の著者は、通訳が有能だったら、戦後の裁判で山下が有罪になり死刑になることはなかったかもしれない、とまで述べている。 山下が実際にどうパーシバルに接したのかについてはその場にいた人の証言によるしかないが、スティーブンソンの安保理でのやりとりは映像や音声に記録されていて、ネットで見ることができる。 http://www.americanrhetoric.com/speeches/adlaistevensonunitednationscuba.html 最後に「13デイズ」についてだが、ケネディ兄弟は、それなりに似ている俳優が演じていたとはいえ、記録映像などで知っている実物の印象が強いので、違和感は拭えなかった。語尾の -er, -or などの音を -ah のように発音するケネディ大統領の特徴はよく出していたとは思ったが。 またこの映画では、ケビン・コスナー演じる大統領補佐官とケネディ兄弟が格好いい(?)平和主義者として描かれているのに対して、軍部はソ連と一戦を交える機会を常にうかがっている存在として扱われていたように記憶している。実際にどうだったのか私は詳しいことを知らないので何ともいえないが、映画を観たときは「そんなに単純なものだったのだろうか」と思ったことを覚えている。「JFK」もそうだが、この手の映画は史実そのままを描いたと思い込みやすいので注意が必要だと思う。 スティーブンソンに関連してとりとめもないことを綴ってきたが、次回はもう1回彼について書いてみたい。 参考:【本】 「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった
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キューバでは、カストロの時代が終わりを告げ、新たな時代の幕開けを迎えつつあるようだ。これでやっとアメリカも枕を高くして寝られるのだろう。というと大げさかもしれないが、この小国キューバがかつて超大国アメリカを向こうに回して戦いを挑もうとしたことが確かにあった
1962年10月、キューバで攻撃用ミサイル基地建設の動きが発覚した。それは、ソ連が弾道ミサイルを含む攻撃用兵器をキューバに持ち込んだもので、当時世界は核戦争の危機に瀕していた。そうした状況下で行われた米国・ケネディ大統領とソ連・フルシチョフ首相との交渉。本書は、大統領の側近だった実弟のロバート・ケネディが当時のアメリカ合衆国の決断を生々しく語った回顧録である。
NHKスペシャル 「十月の悪夢 1962年 キューバ危機 戦慄の記録」がDVD発
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tempus fugit

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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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