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Admirable Crichton や admiralのことなど

前回は作家のマイクル・クライトンについて書いたが、何の気なしにこの姓を辞書で引いたら James Crichton という16世紀のスコットランド人について載っていた。versatile な人物で、"the Admirable Crichton" と呼ばれていたという。「リーダーズ英和辞典」によれば、Admirable Crichton は「多芸多才の人」を指すそうだ。 この比喩的な使い方についてオンラインの英語辞典を調べたが、私が見た範囲では載せているものはなく、実例もネットでちょっと検索した限りでは見あたらなかった。もっと腰を据えて探せば見つかるかもしれない。 ひとつ知ったのは、「ピーター・パン」の作者 James Barrie が "The Admirable Crichton" という喜劇を書いていることだ。1957年には映画化もされている。James Crichton についての劇ではないが、この姓を持つ登場人物が出てくるそうで、16世紀の人物のあだ名にちなんだ題名なのだろう。
ところで admirable は admire と同根だが、似た綴りと響きを持つ単語に admiral (海軍の将官、提督)がある。これも admire と関係があるのかと思って辞書を引いたら、そうではなく、commander を意味するアラビア語にさかのぼることができるそうだ。
- ORIGIN originally denoting an emir: from Old French amiral from an Arabic word meaning commander.

- 13th century. Via French amiral < Arabic amir-al "commander of" in such phrases as amir-al-bahr "commander of the sea"
とはいえ、オンラインの Webster's Revised Unabridged Dictionary には
- Early forms of the word show confusion with L. admirabilis admirable, fr.
admirari to admire.
という記述があるので、admire との混同があったことがうかがえる。 amir あるいは emir は英語になっていて、イスラム教の王族や君主、首長を指す。アラブ首長国連邦 The United Arab Emirates の emirate は the rank, lands, or reign of an emir ということである。 ちなみにエミレーツ Emirates はUAEを構成するドバイの政府がオーナーとなっている航空会社だが、私が持っている辞書では載せているものはなかった。香港の航空会社キャセイ Cathay については記載している辞書があったが、この語はもともと「中国」を指す古語だそうだ。 もうひとつ、admiral からの連想だが、commodore という単語がある。米国海軍で大佐と少将の間の位 (a naval rank above captain and below rear admiral) で、「准将」と訳されている。「ジーニアス英和大辞典」には「平時には置かない」という注がある。commander に似ているなと思うが、その通りで、
- Late 17th century. Probably alteration of Dutch komandeur "commander" < French commandeur< Old French comander
と説明されている。 最後に、冒頭に紹介した歴史上の人物に戻ると、某オンライン英和辞典は Admirable Crichton を見出しとして収録してはいるものの、ただ「驚異のクライトン」と書いているだけだった。これでは何のことかわからない。不親切この上ないというより、これでは辞書の体をなしていないと思う。
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tempus fugit

Author:tempus fugit
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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