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ポテイトウとポタートウ (Let's Call the Whole Thing Off)
映画「パリの恋人」でオードリー・ヘップバーンと共演したフレッド・アステアについて、英語との関連で私が連想するのは "Let's Call the Whole Thing Off" という歌である。中学生か高校生の時に聞いたラジオ番組で、同じ単語でも発音が違う場合がある例として取り上げられていた。
アステアと Ginger Rogers のコンビが、ミュージカル映画「踊らん哉」 Shall We Dance (1937年) の中で歌ったもので、作曲はかのガーシュウィン George Gershwin である。アステアは後にこの曲をソロで録音した(私がラジオで初めて聞いたのはこちらの方だった)。
歌詞そのものは、まあ他愛のないコミカルなラブソングだが、英語の面で何が面白いかというと、either, potato, tomato, pajama といった単語が、発音の異なる形で歌いわけられていることだ。
私はアステアのソロ録音をCDで持っているが、その歌詞カードでは、こうした単語がすべて通常のスペリングで書かれている。これでは、この歌の面白さが伝わらないのではないか。
幸いネットで、発音に準じた表記にして違いを表している歌詞を見つけることができるが、次のようになっている。感じがつかめていただけるであろうか。
eether - eyether
potayto - potahto
tomayto - tomahto
pajamas - pajahmas
こういった発音の異形 variant は辞書を見れば出ているが、このうち唯一「あれ?」と思うのが potato である。手持ちの辞書を見る限り、どれも -a- の発音としては /ei/ しか出ていない。イギリスで使われているのではないかと考えて、以前イギリス人に尋ねたことがあるが、彼も /ei/ 以外の発音は聞いたことがないということだった。
今回、あらためてどうなのかと思って、ためしに Wikipedia を見ると、この歌は項目として立ってはいるものの、発音については大した説明がない。
しかし思いついて potato の項を見たら、この歌に言及があり、次のような記述を見つけた。
[参考]
「注意したい発音」一覧
While the song makes fun of different (and valid) regional pronunciations of English, the line "You say potayto, I say potahto" is in fact a joke, as the latter pronunciation is not used.余談だが、この歌は映画での歌詞とアステアのアルバムで歌われている歌詞とがなぜか微妙に違っている。作詞はどちらもガーシュウィンの姉のアイラ Ira Gershwin だが、どういったいきさつがあったのだろうか。 今だったら「シャル・ウィ・ダンス」という邦題がつけられたであろう「踊らん哉」は、大名作とまではいえないと思うが、踊りに詳しくない私もアステアとジンジャー・ロジャーズの息のあったダンスシーンにはやはり見入ってしまう。"Let's Call the Whole Thing Off" は、2人がローラースケートをしながら軽快に歌うのだが、見ていて大変愉しいシーンである。 一方、映画の20年ほど後に録音されたアステアのソロ版は、テンポをゆったりと取ってより低音をきかせ、大人の雰囲気を強く感じさせる編曲になっている。映画とはがらりと違って聞えるが、こちらも大変印象深い。この曲を収めた "Mr. Top Hat" というアルバムには、「パリの恋人」でも使われた「ス・ワンダフル」 'S Wonderful といった名曲も収録されている。 たやすく手に入る録音で、映画のオリジナルと同じような軽快さを感じさせるのが、サッチモことルイ・アームストロングとエラ・フィッツジェラルドによるもので、聞いていてこれまた大変愉しめる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Potato_(word)

- アーティスト: ラッセル・ガルシア・オーケストラ,ネルソン・リドル・オーケストラ,オスカー・ピーターソン,ハーブ・エリス,レイ・ブラウン,ルイ・ベルソン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/02/21
- メディア: CD