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オバマ候補の「豚に口紅」発言(辞書に載っていない表現)

アメリカではオバマ候補の「豚に口紅」発言が話題となっているようだが、いくつかの記事を読んだら、実は以前からある言い回しで、別にオバマ氏が初めて使ったものではないことを知った。この発言を批判しているマケイン候補自身もヒラリー・クリントン氏について口にしたことがあるという。 この表現は、オバマ候補がマケイン候補を攻撃する演説の中で出てきたものだ。ちょっと長いがそのあたりを引用する。
"John McCain says he is about change, too. And so I guess his whole angle is: ‘Watch out, George Bush. Except for economic policy, health care policy, tax policy, education policy, foreign policy and Karl Rove style politics, we're really gonna shake things up in Washington.’ That’s not change -- that's just calling the same thing something different. But you know, you can … you can put lipstick on a pig, it's still a pig."
マケイン候補は、この発言をとらえて、ペイリン副大統領候補を侮辱したものだと主張している。ペイリン氏が演説で述べて喝采を浴びた “You know the difference between a hockey mom and a pit bull (=闘犬の一種)? Lipstick.“ にからめたというのだが、ちょっと苦しい攻撃ではないかとは思っていた。 オバマ氏は政策についての文脈で語ったものだし、いくらなんでもペイリン氏について「口紅つけても豚は豚」と露骨な侮蔑的形容をするとは考えにくい。何かの慣用表現にこじつけてオバマ氏を攻撃したものではないか。 いずれにせよ、見た範囲の辞書にはこうしたイディオムは載っていない。唯一、電子辞書版「リーダーズ英和辞典」の lipstick の項に、
- <俗>(本格的モデルチェンジと錯覚させる)新型車に施された表面的変更
とあって、オバマ氏の演説内容に沿う語義だといえそうである。 そのうちに、TIME誌のサイトでこの表現について説明した記事を見つけた。その A Brief History Of: 'Putting Lipstick on a Pig' は、
It's a phrase common in the car sales industry, used to describe taking a hunk of junk, brushing on a fresh coat of paint and selling it for full price.
(http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1840392,00.html)
と始まっている。先の「リーダーズ」の説明とは微妙に違うが、意味的には重なりそうだ。 この記事は続けて、過去に政治家が使った例を列挙しているが、その中には冒頭に書いたようにマケイン候補も含まれていた。初期の例の一つは1985年までさかのぼれるという。ここはひとつ、政治と言葉についてのコラムを書き続けている William Safire にご登場願いたいところだが、現時点で氏はこの表現や今回の騒ぎについてまだ書いていないようだ。 さらにネットを調べたら、オンライン辞書ではないが、"English for Students" というサイトに、この表現が載っているのを見つけた。
Put lipstick on a pig: If people put lipstick on a pig, they make superficial or cosmetic changes, hoping that it will make the product more attractive.
(http://www.english-for-students.com/Idioms-P.html)
オバマ氏の発言によって、この表現もそのうちに辞書に収録されるかもしれない。 ついでに今回の騒ぎについて、わかりやすくまとまっていると思う記事をひとつ。 'Lipstick on a pig': Attack on Palin or common line? (http://edition.cnn.com/2008/POLITICS/09/10/campaign.lipstick/index.html) こうした背景を知らないで、何となく新聞の見出しを眺めているだけだと、オバマ氏がペイリン氏を攻撃するために「豚に口紅」という表現をこしらえたという印象を持つのではないだろうか。無知は誤解のもと、危ないものである。 だがしかし、とも思う。ペイリン氏の「口紅のホッケーママ」演説が話題になっている中、こうした表現をライバル政党の攻撃に使ったら非難を浴びるのではないか、とオバマ氏は予測していなかったのだろうか? 失言と受け取られかねない言葉を口にするとは、演説上手で鳴らしている候補らしくない。 いや、もしかしたらオバマ氏は、それを当然計算したうえで、あえてこの表現を使った、ということはないのだろうか。もちろん非難を受けたら、「そういう意味で使ったのではない。しかも、マケイン氏だってヒラリー攻撃に使ったではないか」と否定し、反論する備えをして。 もちろん単なる私の妄想かもしれない。しかし、最近支持率でマケイン氏にリードを許しているオバマ氏である。肉を斬らせて骨を断つ攻撃に踏み切ったということはないのだろうか。弁舌巧みなオバマ氏ならやりかねないのではないか…。 …というように、いろいろな考えが浮かび、真相は別にして裏読みができてしまうのも、言葉による戦いを繰り広げているアメリカ大統領選挙だからこそであろう、と思った次第である。 最後に余談だが、pig を使った慣用表現は、やはりというべきか、前向きな意味を持つものは少ないようだ。eat like a pig とか to pig out など、なるほどと思わされるが、Pigs will [may, could] fly. という表現には笑ってしまう。 そういえば、意味はわかったとはいえ、なぜ豚に口紅という組み合わせになったのか、明快な説明にはまだ出会っていない。 追記: その後見つけたAP通信の記事に、マケイン候補との独占インタビューがあった。以下に引用するところを読むと、もしかして私が考えたような印象を彼も抱いているのであろうか。
Did Barack Obama really call Sarah Palin a pig, as a John McCain ad leads people to believe? "No," McCain said Monday. The Republican presidential nominee defended the ad anyway, saying Obama "chooses his words very carefully."

The implication: Obama was slyly up to something when he said McCain's call for change in Washington is "lipstick on a pig," days after Palin made a lipstick joke at the Republican convention.
(http://news.yahoo.com/s/ap/20080915/ap_on_el_pr/mccain_lipstick)
参考エントリ: ・cause celeb(辞書に載っていない単語)「辞典に載っていない表現・説明」一覧
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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