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英訳「奥の細道」

英文収録 おくのほそ道 (講談社学術文庫)

英文収録 おくのほそ道 (講談社学術文庫)

  • 作者: 松尾 芭蕉
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/04/11
  • メディア: 文庫
ドナルド・キーン氏が訳した英文「おくのほそ道」が文庫化されているのを見つけ、さっそく購入した。奥付を見ると出版されたのは1年前だが、これまで気がつかなかった。古典はからきし駄目な私だが、この名作は例外的に心ひかれる作品であることは、以前ちょっと書いたことがある
非日本人にも訴えるものを持っているのだろう、キーン氏以外にも複数の英訳がある。そのうちのひとつ、ペンギン・ブックスのペーバーバックは、かつて私が海外と関わる部署にいた時、出張があるとカバンに入れていた。寝る前に、たまたま開いたページを読みながら、旅情を感じたり(旅をしているわけではないが)、異郷にいる寂しさをかみしめたりしていた。 その本はどこかへ行ってしまったが、その後、別の翻訳を購入し、さらに今回の文庫本が加わって、英訳は2冊となった。 「おくのほそ道」は、芭蕉自身「奥の細道」も使っていたという説があって表記が決まっていないが、英訳も訳者によってタイトルが異なっている。キーン氏は "The Narrow Road to Oku" としている。"Oku" だと外国の人にはよくわからないのではと思うが、日本語と英語の双方で書かれた序文で、キーン氏は次のように述べている。
題名をどう訳すべきか。以前、私は The Narrow Road of Oku と訳したことがある。間違いではないものの、啓発的だとはいいがたい。疑いなく芭蕉はその名の特定の道に触れていたが、作品にはほとんど現れないこの道のことだけではないだろう。「奥という地方に入る細道」として訳した方がましかもしれない。つまり、芭蕉の目的地は本州の北端にある国であった。また、それは奥地あるいは奥に引っ込んだ場所という意味とともに、この旅が俳句の世界の深淵に入っていくという比喩的な意味においてもふさわしいかもしれない。
「『奥という地方に入る細道』として」・・・以下の文章の後半部分の英文は、次のようになっている。
"The Narrow Road into Oku" might be better, suggesting that Basho's destination was Oku, the general name for the provinces at the northern end of the island of Honshu. Oku also means "interior" or "inner recesses," and this meaning would also be appropriate, both geographically, indicating that Basho's travels would take him to the inner recesses of the country, and metaphorically, suggesting that his journey as to an inner world, probably the world of haiku poetry.
キーン氏はさらに続けて、
芭蕉が何を意図したのか我々には知るよしもないが、これらすべてだったかも知れない。翻訳にまつわる困難が題名の翻訳だけでも分かる。

We shall never know which of these meanings Basho intended; perhaps he meant all of them. The difficulty of translating the title is typical of the whole.
ひとつに特定できないという理由で、キーン氏は「奥」をあえて Oku とそのまま訳したのだろう。また前置詞が of だったり into だったりと、同じ訳者でも迷いを抱かせる題名ということだろうか。 私が持っているもうひとつの英訳は Hiroaki Sato (佐藤紘彰)氏によるもので、こちらのタイトルは、 "Narrow Road to the Interior" である。また、最初に持っていたペンギン版は Nobuyuki Yuasa (湯浅信之)氏の訳で、 "Narrow Road to the Deep North" となっている。 さらにネットで調べると、その他の英訳は次のようなタイトルである。 "The Narrow Road to the Interior" (Helen Craig McCullough) "Narrow Road to the Interior" (Sam Hamill) "Basho's Narrow Road to a Far Province" (Dorothy Britton) "Back Roads to Far Towns" (Cid Corman and Kamaike Susume) 個人的には "Narrow Road to the Deep North" が好みである。しかしこれは私が初めて手に取った英訳だということ、また作品の内容を知っていることが大きいだろう。芭蕉が、奥州という地名以上のものを題名にこめたのであれば、このタイトルからそれを感じとるのは難しいと思う。それを考えると、キーン氏もあげていた interior がよりふさわしそうで、複数の英訳がタイトルに使っているのも頷ける。 「奥の細道」のいくつかの英訳は、ありがたいことにネットで読むことができる。時にはそうした他の訳とも比べながら、これからのんびりとキーン氏の訳を読んでいくつもりである。 参考:【本】 式亭三馬の「浮世風呂」
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tempus fugit

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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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