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ジョージ・オーウェルの英語指南

George Orwell の作品といえば、「動物農場」や「1984年」のほか、エッセイをいくつか読んだことがある。ほとんどは翻訳であるが、原文で読む場合は、前回触れた「象を撃つ」 Shooting an Elephant のような短い作品の方がとっつきやすそうだ。とりわけ英語学習者にとって、彼の "Politics and the English Language" は興味深く読めると思う。 http://www.orwell.ru/library/essays/politics/english/e_polit
不正確で抽象的な書き言葉が広まっている傾向に警鐘を鳴らしたうえで、特に目立つのが政治についての文章だと指摘して実例をあげつつ批判したエッセイである。発表されたのは第2次大戦直後の1946年、ネイティブスピーカーではない私には、現代の英文の傾向が当時と比べてどう変わったのかはわからない。オーウェルが生きていたらどういった感想を漏らすだろうか。 いずれにせよ、このエッセイの最後の方でオーウェルがあげている6つの注意点は、非ネイティブにも参考になりそうだ。
- Never use a metaphor, simile, or other figure of speech which you are used to seeing in print.

- Never use a long word where a short one will do.

- If it is possible to cut a word out, always cut it out.

- Never use the passive where you can use the active.

- Never use a foreign phrase, a scientific word, or a jargon word if you can think of an everyday English equivalent.

- Break any of these rules sooner than say anything outright barbarous.
この「六戒」に先立って、オーウェルは注意すべき単語や表現の実例を分類してあげているが、例えば、
Words like phenomenon, element, individual (as noun), objective, categorical, effective, virtual, basic, primary, promote, constitute, exhibit, exploit, utilize, eliminate, liquidate, are used to dress up a simple statement and give an air of scientific impartiality to biased judgements.
こうした単語はふだんよく目にするものといえそうで、「オーウェル先生、厳しいな」と思う。また、これでは少し込み入った内容を表現することはできないのではと考えたりもする。オーウェル自身はこうした単語を使っていないのだろうかと興味もわくが、それを確かめるために著作を読む気力はない。 その他、toe the line, play into the hands of, no axe to grind, grist to the mill, Achilles' heel, swan song, hotbed といった単語・表現があげられている。英会話の本やイディオム集に載っていそうである―というより、私が書いてきた単語・表現の多くもこの類といえそうだ。 しかし私がそうした言い回しを取り上げるのは、知って単純に面白いと思ったからあって、自分からぜひ使うべきだと勧めているわけではない。またオーウェルはネイティブを念頭に言葉を使う上での戒めをしているのであり、こうした表現を知ること自体に意見をしているわけではないはずだ…といった言い訳をしてしまおう。 さて、オーウェルと英語といえば、もうひとつ印象に残っているのが「1984年」の巻末につけられた Newspeak の説明である。 http://www.netcharles.com/orwell/books/1984-Appendix.htm この小説でオーウェルが描いた「ニュースピーク」は英語に基づく架空の人工言語だが、こうした形で言葉による思想統制の恐ろしさを描くのがオーウェルの意図だったのだろうと理解している。それはわかりつつも、最初に説明を読んだ時は、ungood や good-gooder-goodest また thinked などを見て、「本当に英語がこうだったら学習が楽だったのに」と思ってしまった。 余談だが、私が「1984年」を翻訳で読んだのは高校生の時、70年代の終わりだったが、実際にこの年がやってきた時は、小説で描かれた世界が現実のものとはならなかったのは当たり前なのに、なぜか奇妙な感覚を味わった。その後しばらくして冷戦が終結し、世界はオーウェルの小説とは逆の方向に動いているように思えた。 忘れかけていたオーウェルの小説を私が再び思い起こしたのは、911テロを受けてブッシュ政権が治安強化の施策に乗り出した時だった。「1984年」が連想させたソ連や共産主義の体制が崩壊したずっと後に、アメリカでオーウェル的世界を思わせる動きが出たのは、何とも皮肉なものに感じられた。
Essays (Penguin Modern Classics)

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  • 出版社/メーカー: Penguin Classics
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1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

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tempus fugit

Author:tempus fugit
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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