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「チャレンジャー」の事故とレーガン大統領の演説

星出さんが乗ったスペースシャトル「ディスカバリー」の飛行が先日無事終了した。シャトルといえば今も鮮烈に思い出すのは、もう二十年以上も前の出来事となったが、「チャレンジャー」爆発事故である。
青い空に向かって飛んでいくシャトルを追うカメラがアップに切り替わり、ほどなくして突如爆発が画面に広がる。カメラはすぐにまた広角に替わって、飛散する破片と、あらぬ方向に飛んでいくブースターを無情に映し続けていた。 レーガン大統領は、この日(1986年1月28日)予定していた一般教書演説を取りやめ、事故についてテレビ演説を行った。 http://www.americanrhetoric.com/speeches/ronaldreaganchallenger.htm 私が最初にこの演説に触れたのがいつだったか、もはや記憶は定かではない。リアルタイムでないのは確かだが、いずれにせよ、5分に満たない短さながら印象深いものだった。アメリカ名演説のランキングものでも、たいがい上位に位置づけられているようだ。 演説でレーガン大統領は、死亡した7人を英雄とたたえて追悼したあと、一般から乗組員に選ばれた女性教師が「宇宙授業」をする予定だったことを踏まえて、全米の子どもたちの衝撃を鎮めようとする。そして、7人の遺志を継いで未知への挑戦を続けようとアメリカ国民に呼びかける。
- I know it's hard to understand, but sometimes painful things like this happen. It's all part of the process of exploration and discovery. It's all part of taking a chance and expanding man's horizons. The future doesn't belong to the fainthearted; it belongs to the brave. The Challenger crew was pulling us into the future, and we'll continue to follow them. - We'll continue our quest in space. There will be more shuttle flights and more shuttle crews and, yes, more volunteers, more civilians, more teachers in space. Nothing ends here; our hopes and our journeys continue.
最後の方では、およそ400年前の同じ日に亡くなった大航海時代の航海家ドレイクに7人をなぞらえたあと、第2次大戦で戦死したパイロットが書いた、大空への飛翔をうたった詩の一部を引用して全体を締めくくる。
- The crew of the space shuttle Challenger honored us by the manner in which they lived their lives. We will never forget them, nor the last time we saw them, this morning, as they prepared for their journey and waved goodbye and "slipped the surly bonds of earth" to "touch the face of God."
草稿を書いたのは Peggy Noonan というスピーチライターだったそうだが、大統領の静かな語り口は、国家の指導者、あるいは家長、さらには癒し手といった異なる役割をうまい具合に体現しているように思う。 演説の最後に使われた印象的な詩は、スピーチライターが知っていて盛り込んだのだろうくらいに思っていたが、ペギー・ヌーナンの回想によれば、レーガン自身が知っていた詩を引用したのだそうである(本当かな?)。この記事には、引用された詩 "High Flight" の全文も載っている。 http://www.opinionjournal.com/columnists/pnoonan/?id=110003014 ヌーナンの記事は、2003年にもうひとつのスペースシャトル「コロンビア」が失われた時に書かれたものだが、この時には今のブッシュ大統領が演説を行った。どうしてもレーガン大統領の演説と比べてしまうのは仕方ないとして、それにしては差を感じてしまうのは、単にスピーチライターによる草稿の出来だけに帰するわけにはいかないように思う。 ところで「チャレンジャー」の打ち上げは、問題箇所が見つかったため延期されていたが、NASA上層部は、現場からの警告を無視して最終的に打ち上げに踏み切ったことが、後の調査でわかったという。アポロ計画以降の予算削減傾向に歯止めをかけたいため、民間人飛行士の乗ったシャトルを何としてでも打ち上げて成功させたいという考えが上層部の判断を狂わせたらしい。レーガンの名演説を生んだ悲劇が、実は人災だったとは、何ともやりきれないことである。
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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