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気になる直訳の定着

先日、自民党総裁選で福田さんがリードしていることにからめて、「圧勝」を表す表現をいくつか書いたが、蓋を開けてみたら、福田さんは勝ったものの、麻生さんがかなり健闘し、landslide といった表現は適切ではない結果となった。それはともかく、この単語については、かなり前から、「地すべり的勝利」という訳が目につくように思う。 果たしてこれは昔から日本語にある表現なのだろうか。少なくとも私が landslide という単語を覚えたときは、「圧倒的勝利」というような訳によってだった。英語からの直訳ではないかと思うが、私の日本語の感覚では、「地滑り」と「勝利」が結びつかないこともあって、どうも違和感が拭えない。
ちなみに英語の方は、Online Etymology Dictionary に
In the political sense, landslide "lopsided electoral victory" is attested from 1888.
とあり、かなり以前から使われているようだ。どうして勝利についてこの単語が使われるようになったかはわからなかったが。 似たように、英語からの直訳だろうと思われる最近の表現に「外科手術的攻撃」がある。 北朝鮮やイランの核問題で、アメリカが単独で先制攻撃(pre-emptive strike)に踏み切るかどうかが議論になることがあるが、これについて使われているのが、surgical strike とか surgical attack である。 この場合の surgical は extremely accurate; precise という意味で、核関連施設などの目標だけを破壊しようという精密で限定的な攻撃を指す。一般市民への被害の波及、民間人の巻きぞえ (collateral damage) を避けるのが狙いだ。こんな風にも説明されている。
- an attack (usually without prior warning) intended to deal only with a specific target
- Surgical strikes will require precision guided weapons, keeping lethality high while minimizing collateral damage.
英和辞典には「(爆撃が)正確な、局地的な」などと定義が載っていて、特に新しい用法というわけではないが、以前は「外科手術的」という訳を見聞きすることはなかったように思う。こう言われても、わかったようなわからないような、という人が、かなりいるのではないだろうか。 もちろん、言葉は使われることによって定着するものだ。また、古くは漢字のように、日本語は外国から取り入れた言語の影響を受けながら活力を保ち、表現の可能性を広げてきたのも事実だろう。あまり保守的に考えるのはよくないかもしれない。 しかし、単純な直訳としか思えない安易な訳語やカタカナ語の訳を見るにつけ、的確な言い方を選ぶ努力の放棄であり、言葉の感覚をやせ細らせることにつながることになりはしないか、と考えてしまう。 参考:「ぶっちぎり」の runaway
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tempus fugit

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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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