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コヴェントリーにまつわる英語(その1)

さいとう・たかを の劇画「ゴルゴ13」を長年読んでいる。国際情勢に題材を取ったストーリーが多く毎回楽しんでいるが、いま連載中のエピソードは、第2次大戦中のドイツ空軍 Luftwaffe による「コヴェントリー空襲」にまつわる俗説を扱っている。 イギリス政府はナチスの暗号を解読して事前に空襲計画を察知したが、解読する能力があることを覚られないため、コヴェントリーを見殺しにした、とされるものだ。
この話は、かなり前に諜報戦についてのノンフィクションで読み、戦時下の悲劇として強く印象に残った。Wikipedia を見ると、"Coventry" の項にこの話は載っていないが、別に "History of Coventry" という項目があって、そちらに次のような記述があった。
Coventry was deliberately sacrificed in order to prevent the Germans knowing that Enigma cipher machine messages were being read by British codebreakers. This has been proven true - Winston Churchill was aware that a heavy raid was to take place, and was most likely Coventry.
( http://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Coventry )
"This has been proven true" と断定しているが、その論拠など詳しいことをこの記事は書いていない。以前、別のところで「実証されたものではない」と読んだこともあり、この説の真偽のほどは私にはわからない。詳しい方がいらっしゃったら、教えていただけたら幸いである。 さて、「ゴルゴ13」の今回のエピソードを立ち読みしていたら、このコヴェントリーと関係ある英語をいくつか思い出した。そのひとつがイギリスで使われるという send to Coventry である。 「仲間はずれにする」「村八分にする」 to ostracize; to exclude from society という意味で、World Wide Words というサイトによると、18世紀半ばにすでに使われていたそうだ。 その100年前の清教徒革命での王党派と議会派の対立に由来するという説があり、簡単にいうと、「議会派の強いコヴェントリーに王党派が派遣した兵士たちが地元住民から嫌われた」ことによる、という。それにしてもなぜコヴェントリーなのか、という疑問は残るし、この記事の筆者も断定はしていないが、詳しくはこちらをお読みいただきたい。 http://www.worldwidewords.org/qa/qa-cov1.htm ネットで send to Coventry (あるいは sent to Coventry) を検索してみると、大量というほどではないがヒットする。その中には由来の解説も多いが、確かにイディオムとして使っている例もある。イギリス史を背景とした由緒ある(ものかもしれない)表現は健在なようである。 さて、チャーチルがコヴェントリーを見殺しにした、という話を最初に読んだ本が何だったかは思い出せない。少し前、サイモン・シンのノンフィクション「暗号解読」を翻訳で読んだ時も注意したが、この挿話には触れていなかったはずだ。いま家にある本の中で言及があったのは、下記の「暗号戦争」だが、「戦後になって流れた噂」としており、やはり断定はしていなかった。
暗号戦争 (日経ビジネス人文庫)

暗号戦争 (日経ビジネス人文庫)

  • 作者: 吉田 一彦
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 文庫
参考:固有名詞にちなむ表現
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tempus fugit

Author:tempus fugit
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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