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誤訳だった火星の「運河」

1年前に惑星の座から陥落した冥王星を発見したのは、当時書いたようにアメリカ人の Clyde Tombaugh だが、その存在を予想したのは彼の師である Percival Lowell という天文学者だ。 冥王星を表す記号はPとLの字を組み合わせたものだが、これは Pluto にかけてあると同時に、ローウェルの姓名の頭文字でもある。このローウェルは、「火星に運河がある」と言い出したことでも知られている。
実在しなかったこともあり、最近は「火星の運河」という言葉を聞かなくなってしまったが、私が子供の頃は、火星表面の模様を指して使われることもあった。子供向けの科学の本で、火星の模様はスキャパレリという天文学者が観測したが、これを人為的に造られた「運河」だと主張したのはローウェルで、火星人が存在するという説のもとになった、といったことを読んだのも覚えている。 ローウェルがいったい火星の表面に何を見たのかよくわからないが、彼がこうした説を唱えたのは、誤訳に基づく先入観もあったようだ。
In 1877 Giovanni Virginio Schiaparelli, an astronomer at the Milan Observatory in Italy, announced a finding that would have an unexpected though significant impact on astronomy. He announced the observation of "canali" on the surface of Mars.

Though the most accurate translation of "canali" would have been channels, it instead got translated to canals. With the recent completion of the Suez Canal the interpretation was taken that to mean large scale artificial structures had been discovered. In other words, evidence of intelligent life.

( http://www.activemind.com/Mysterious/Topics/Mars/canals_on_mars.html )
もうひとつ、
He (Schiaparelli) observed objects in the solar system, and after observing Mars he named the "seas" and "continents". Beginning in 1877 he also believed he had observed long straight features he called canali in Italian, meaning "channels" but mistranslated as "canals". Many decades later these canals of Mars were definitively shown to be an optical illusion.

( http://en.wikipedia.org/wiki/Giovanni_Schiaparelli )
語源を見ると、canal はまさに channel を意味するラテン語に由来するのが皮肉だ。
c.1449, from L. canalis "pipe, groove, channel," from canna "reed." Originally "a pipe for liquid," its sense shifted by 1673 to "artificial waterway."
(Online Etymology Dictionary)
冥王星について余談だが、「プルトニウム」 Plutonium は、冥王星の Pluto から命名された。また「ウラン」は、天王星 の Uranus にちなんだものだ。のちに原爆として天から降って多数の人の命を奪うことになる核物質の名前として、偶然とはいえ恐ろしい意味で似つかわしい。 参考:さよなら冥王星
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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