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Hiroshima (John Hersey)

Hiroshima (Vintage)

Hiroshima (Vintage)

  • 作者: John Hersey
  • 出版社/メーカー: Vintage
  • 発売日: 1989/03/04
  • メディア: マスマーケット
以前読んだものだが、「ヒロシマ・ナガサキ」に関連して、やはりぜひあげておきたい作品だ。戦後まもなく広島に入ったジャーナリストが外国人を含む被爆者を取材したもので、原爆投下の1年後、「ニューヨーカー」誌に発表された。その号に掲載されたのはこの作品ただ一編のみで、広島の惨禍を広く世界に知らしめることになったという。
この作品のあとに世に出たさまざまな記録と比べて、「悲惨さの描き方が足りない」という感想を持つ人もいるかもしれない。医師や外国人の宣教師という、もともと高い使命感を持つ人びとを複数取り上げ(取材しやすかったこともあるだろう)、その献身的な行動を描いているのも、かえってそうした感想につながるものかもしれない。 それでも、当時は世界的に、原爆の惨状は詳しくは伝えられていなかったという。「破壊力の大きい新型爆弾」程度の認識しかない人も多かったことだろう。そうした時代に、この作品は記念碑的な役割を果たしたはずだ。 また読んでいて、センセーショナリズムに走らない、抑えた筆を感じる。主情的な描写や声高な主張は、必ずしも効果的とは限らない。かえって、受け手の共感を呼ばないものである。冷静な筆致とは、冷淡とは違う。実際には作者の目を通して描かれているのだが、作者のフィルターを感じさせず、描かれた対象に読者がじかに接しているような気にさせる方が、むしろ力量を必要とすると思う。 私の持っている Vintage 版ペーパーバックには、40年後の1985年に著者が取材して書いた、登場人物たちの「その後」が最終章として収録されている。その締めくくりはこうなっている。
His memory, like the world's, getting spotty.
老い行く登場人物の記憶に仮託して、作者は、「ヒロシマ・ナガサキ」についての記憶が、世界的に薄れていることに警鐘を鳴らしたのだろう。 それからさらに20年近く経った2002年、広島市の秋葉市長は、「平和宣言」の冒頭で、警鐘を鳴らしたハーシーの著書も含めて、こう指摘せざるを得なかった。
57年前、「この世の終り」を経験した被爆者、それ故に「他の誰にもこんな思いをさせてはならない」と現世の平和を願い活動してきた被爆者にとって、再び辛く暑い夏が巡ってきました。

一つには、暑さと共に当時の悲惨な記憶が蘇るからです。

それ以上に辛いのは、その記憶が世界的に薄れつつあるからです。実体験を持たない大多数の世界市民にとっては、原爆の恐ろしさを想像することさえ難しい上に、ジョン・ハーシーの『ヒロシマ』やジョナサン・シェルの『地球の運命』さえも忘れられつつあります。

( http://www.pcf.city.hiroshima.jp/declaration/Japanese/2002/index.html )
(広島市発表の英訳) Another hot, agonizing summer has arrived for our hibakusha who, fifty-seven years ago, experienced "the end of the world," and, consequently, have worked tirelessly to bring peace to this world because "we cannot allow anyone else to go through that experience."

One reason for their agony, of course, is the annual reliving of that terrible tragedy.

In some ways more painful is the fact that their experience appears to be fading from the collective memory of humankind. Having never experienced an atomic bombing, the vast majority around the world can only vaguely imagine such horror, and these days, John Hersey's "Hiroshima" and Jonathan Schell's "The Fate of the Earth" are all but forgotten.

( http://www.pcf.city.hiroshima.jp/declaration/English/2002/index.html )
近年、日本の出版社がいろいろな英語の作品を文庫本や新書判で出しているが、この "Hiroshima" はどこも収録していないようだ。Vintage 版で約150ページ、現役と思われる下記の Penguin 版でも200ページ程度で、長さも手ごろなはずだ。版権の関係があるのかもしれないが、こうした日本の英語学習者向けのシリーズに入れていただけないものだろうか。「ヒロシマ・ナガサキ」の記憶を伝えていくためにも。 参考:広島市長の平和宣言
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tempus fugit

Author:tempus fugit
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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