ホーム   »  スポンサー広告  »  スポンサーサイト   »  単語・表現  »  「消えたズボン」裁判と pants さまざま

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「消えたズボン」裁判と pants さまざま

極端な例をもとに物事を一般化するのは慎まなくてはならないが、こんなニュースに触れると、やはりアメリカの社会はどこか病んでいるのではと思ってしまう。クリーニングに出したズボンを紛失されたからと店を訴えた損害賠償の判決が先日あったが、70億円近くに相当する請求額に驚き、しかも訴えを起こしたのが法を司る判事と知って、さらにびっくりだ。
預けたズボンが見当たらなくなったとクリーニング店から言われ、のちに見つかったとして戻ってきたのは違うものだったというのが判事の主張だが、店の宣伝の不当表示から精神的苦痛、さらに別の店に行くレンタカー代まで、しめて5400万ドルという賠償額をはじき出した。幸いというべきか、当然というべきか、裁判所の判断はしごくまっとうなものだった。 http://www.cnn.com/2007/LAW/06/25/trouser.trial/index.html http://www.iht.com/articles/ap/2007/06/26/america/NA-GEN-US-$54-Million-Pants.php http://www.reuters.com/article/domesticNews/idUSN2528824020070625 しかし、どうしたらこんなメチャクチャな訴えを、それも判事が起すなどということがありうるのか、またそんな人物が判事になれるのか(彼は、戻ってきたズボンが自分のものではないという主張を立証できなかった)。訴えられた店の経営者は勝ったものの、法廷闘争で10万ドルもの出費を強いられたという。こうした裁判は、勝ち負けに関わらず人を不幸に陥れるものだ。 さて、片端から単語を覚えることができる年齢ではとうになく、一点突破型の学習・復習になって久しい私としては、今回の「ズボン」をダシにして、pants をめぐる表現を学んでみたい。 頭にすぐ浮かんだものとしては、wear the pants in the family がある。家庭で主導権を握っているということで、「夫を尻に敷く」という説明を読んだことがあるが、男性にも使えるという。「一家の大黒柱」、というより「一家の主はオレだ」「亭主関白」といったところか。 caught with one's pants down 「不意をつかれる」は、着替えの最中に他人が入ってきて、ズボンを下ろしたところを見られてしまったという情景を思い浮かべれば、覚えやすいだろう。catch は、「捕まえる」の他に「(まずい状況にある誰かを)偶然見つける」という意味があるので、こちらに沿ったものではないか。 have lead in one's pants は「ぐずぐずしている、腰が重い」と辞書にあり、lead は鉛なので発音は /led/、ズボンに鉛の塊が入っていては確かに機敏な動作はできまい。get the lead out of one's pants だと、「どんどん仕事をする」「さっさとやる」。こちらは定冠詞がついている。 ズボンの中にアリがいる have ants in one's pants は、 「(不安で)そわそわと落ち着かない」「何かしたくてうずうずしている」だそうだ。 charm the pants off someone 「惹きつける、うっとりさせる、取り入る」には「骨抜きにする」という訳をつけている辞書もあった。魅惑されると思わずズボンを下げてしまうということか? scare the pants off someone は「震え上がらせる」で、怖くなってもズボンを下ろしてしまうことがあるらしい。 fly by the seat of one's [the] pants は、論理や機器ではなく、カンや経験に頼って事を進めること。seat-of-the-pants という形容詞も時々お目にかかる。これは実例を探してみよう。
- The pilot made a seat-of-the-pants landing.
- Seat-of-the-pants management was gradually replaced by management-by-analysis.
- "Gut feeling" and "seat of the pants" decisions can lead to disastrous consequences.
- They tend to make decisions "by the seat of the pants" or "from the gut."
何でこうした意味になるのか、ある辞書は Because pilots claim to feel an aircraft's motion through the seat と説明していた。 ついでだが、training pants は「トレパン」にあらず、幼児がおしめをはずせるようにする用便しつけ用パンツのことなので注意が必要だ。 「ポカリスエット」という商標が揶揄されることがあり、確かに飲み物に sweat はヘンかもしれないが、トレパンが sweat pants だと知った時も、随分とあからさまな言い方だなと思った。といっても、これは直接的な「汗」ではなく、体を動かすこと、というイメージなのかもしれない。 今回は pants にからむ表現のうち、情景が目に浮かぶようなものを掲げたが、実はネイティブがイディオムを使うときは、個々の単語の意味を具体的に思い浮かべているわけではない、とマーク・ピーターセン先生が著書で書いている。考えてみれば日本語でもそうだろう。 しかし、非ネイティブにとっては、ズボンに鉛やアリが入っていたり、ズボンを脱いでいる時に他人が部屋に入ってきたり、魅せられて思わずズボンを脱いでしまったり…と想像・妄想するのも、表現を楽しく覚えることができ、記憶の助けになるのではないかと思う。
関連記事
コメント
トラックバック
トラックバック URL
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

tempus fugit

Author:tempus fugit
●こちらの更新は停止しました。http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/ で続行しています●
-----------------------
「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

カテゴリ
さくいん代わりのタグ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ページナビ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。