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ハルバースタム氏の死を悼む

ジャーナリストで作家の David Halberstam が亡くなった。もうそんな高齢だったか、と思ったら、実は交通事故が原因で、まだ73歳だったと知り、残念な気持ちになった。講演を終えたあと、インタビュー取材に向かう途中だったということで、最後の最後まで仕事に取り組んでいたわけである。 http://www.iht.com/articles/2007/04/24/news/obits.php
私がハルバースタムの名前を知ったのは大学生の時、「ベスト&ブライテスト」の翻訳によってだった。アメリカ政府の the best and the brightest と呼ばれたトップエリートたちが、なぜベトナム戦争という袋小路にとらわれてしまったのかを描いたノンフィクションである。長くて骨のある内容だったが、読んでみて、これは凄い作品だと思った。 quagmire (泥沼状態)ということばがベトナム戦争と結びつけられるようになったのも、若き日のハルバースタムがベトナムからの現地ルポで使ったのがきっかけではなかったか。いずれにせよ、私がこの単語を覚えたのも、ベトナム戦争についての英文を読んでだった(ハルバースタムの書いたものではなかったが)。 その後ハルバースタムは "The Powers That Be" という作品を書き、これも評判となった。アメリカのマスメディアが第4の権力になっていく過程を描いたもので、社会人になったばかりの頃、原書で読もうとして、あえなく挫折した。 このほか(私は読んだことはないが)スポーツなど幅広いテーマで数々の作品を書いている。 シリアスなテーマを取り上げた最後の大作となったのは、先代のブッシュ政権とクリントン政権の時代の外交問題を描いた "War in a Time of Peace" だった。現在のブッシュ政権下の戦争をめぐっては、ハルバースタムは新しい世代にこのテーマを任せたのだろうか、と考える一方、何か著さないものか、とひそかに期待していたのだが、それもかなわぬものとなってしまった。 対テロ戦争やイラク戦争については、彼よりひとまわり若いボブ・ウッドワードが、すでに数冊の本を書いている。ウッドワードは、政権中枢への取材に基づいて、何が起きたのかを忠実に再現・記録することに主眼があるように思える、と以前書いたことがある。ベトナム戦争の時代の申し子として、権力から引いた立場を常に感じさせていたハルバースタムだったら、今の戦争をどう切り取ったのだろうか、やはり読んでみたかった、と思わずにはいられない。 ハルバースタムについては、こんな話を読んだ覚えがある。ベトナムで取材中、「ベトコンの死体の写真を見て泣いた」というウソの噂を立てられた彼は、その話を触れ回ったアメリカ軍の将校に詰め寄り、「自分は前線で取材をし、死体をいくつも見てきた。泣くわけがあるものか」と激怒して、うさを晴らした。 ところが後に、同僚の記者に「死体を見たら、涙を流すのが人間として当然の感情ではないのか」と指摘された。感覚が麻痺していたことに気づいた彼は、「自分が間違っていた」という手紙を子どもに書き送ったそうである。 参考記事: 「ディープ・スロート」の正体 ボブ・ウッドワードの新著
The Best and the Brightest

The Best and the Brightest

  • 作者: David Halberstam
  • 出版社/メーカー: Ballantine Books
  • 発売日: 1993/10/26
  • メディア: ペーパーバック
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tempus fugit

Author:tempus fugit
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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