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「あきらめる」と accept

安倍総理の昭恵夫人が「文藝春秋」に寄せた手記をBBCのサイトが取り上げている。元の文章にはいろいろな内容が書かれていたが、BBCの記事は、日本の少子化問題とからめて、夫妻に子供がいないことに焦点を当てている。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/6044608.stm

手記の中で昭恵さんは、政治家の妻として多大なプレッシャーを受けていたことだけでなく、不妊治療を受けていたことを明かしている。

男の私は想像するしかないが、こうしたことを公にするのは大変な決心が要ることだろう。首相という公人の家族には、一般人にはうかがえない苦労があり、精神的なタフさが求められるのだろうとあらためて思った。

養子はどうかという話も出たが、昭恵さんの考えは、

"I could not accept this and was not confident about bringing up an adoptee properly, so it did not happen."

というもので、どう取るかは別として、率直なものだなと感じた。欧米では二コール・キッドマンやアンジェリーナ・ジョリーらセレブの養子のニュースがしばしば伝えられるが、日本での養子といえば、私はまず「家」の継承が重要視される芸道が頭に浮かぶし、有力政治家の家系も同様だと思う。昭恵さんはそうした行き方は受け入れ難かったということだろう。

また、「政治家の妻になったことも、夫が総理大臣になったことも、子供に恵まれなかったことも、すべては運命であり、それを受け入れるべきだと考えている」という。このくだりは、BBCの表現では、

"I think it is all fate and I have to accept it - the fact that I married a politician, that he became prime minister and that we were not blessed with children."

ここで英語についてだが、accept という単語は、状況によっては「あきらめる」という日本語にすることもできると思う。つまり逆にいえば、「(これも運命だ、などと)あきらめる」という場合、accept で表現できそうだ。

手持ちの国語辞典には、「あきらめる」の説明として「断念する」とあるが、実際には「あきらめて受け入れる」「甘受する」という場合にも使われるからだ。漢字を使った「諦める」という表記は、「諦観」というように、むしろこちらの意味に通じるようで面白い。

もちろん文脈によるので、単純に日本語の「あきらめる」イコール英語の accept と1対1対応のように考えるのはまずかろう。

さて今回、昭恵夫人の手記に触れて、最近たまたま耳にした英語のネイティブスピーカー同士の会話を思い出した。そのうちの1人は、「安倍総理は少子化対策に力を入れると言っているが、ならば自分はなぜ子供をつくらないのかをまず説明すべきだ」と皮肉交じりの口調で言っていた。

安倍総理の政策や、子供がいないと知っていることについては、「この男性、日本についてそれなりに知識や興味を持っているのだな」と思ったが、意図的に子供を作らないわけではない、という可能性に考えが及ばないらしいことにはちょっと驚かされた。

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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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