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Archive | 2009年04月

「目隠しされて板の上を歩く」 (walk the plank)

前回 Jolly Roger を取り上げた流れで、海賊にからんだ表現について書くことにしよう。「海賊もの」といえば頭に浮かぶ場面のひとつとして、船から海に張り出した板の上を目隠しのうえ歩かされる処刑があるのではないかと思うが、これを表すイディオムが walk the plank である。 そして今回、あらためて辞書を引いて知ったのは、この表現に「強制されて地位や役職を退く、やめさせられる、詰め腹を切らされる」「罰を受ける」という比喩的な意味があることだった。
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海賊の旗 Jolly Roger

Newsweek090429.jpg「ニューズウィーク」日本版の最新号がソマリア沖の海賊について特集していた。表紙には、どくろと骨をあしらった旗が大きく描かれている。「海賊」といえば頭に浮かぶおなじみの旗だが、ちゃんと名前がついている。Jolly Roger がそれである。定冠詞をつけて使われる。 幼い子供がいるおかげで、ここ数年、自分でも忘れていた作品に絵本や児童書で再会してきたが、「ピーターパン」に出てくるフック船長 Captain Hook の海賊船がその名も「ジョリー・ロジャー」であった。
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アドレイ・スティーブンソンと大衆文化

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スティーブンソンについて短い続きを書く。彼は大統領選挙で二度敗れ、egghead というあだ名をつけられていたこともあり、大衆的な人気とは無縁だと思っていた。しかし意外なことに、Wikipedia の彼の項に "Stevenson in popular culture" という見出しの記述があった。読んでみるとなかなか面白い。 http://en.wikipedia.org/wiki/Adlai_Stevenson これによると、アニメ「ザ・シンプソンズ」 The Simpsons や映画「博士の異常な愛情」 Dr. Strangelove といった映像作品や小説などでスティーブンソン(にちなんだ人物)が取り上げられているという。
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「たまご頭」とは何か (egghead)

このところ取り上げているアメリカの政治家アドレイ・スティーブンソンは "too smart to be President" などといわれていたようで、egghead というあだ名がつけられていた。「はげ頭の人」のほか「知識人」「インテリ」を指す単語である。彼の頭は、外見も中身もまさにこの2つの特徴を兼ね備えていたということか。
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キューバ危機での「イエスかノーか」

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前回取り上げたアドレイ・スティーブンソンを私が知ったのは、「キューバ危機」についてのドキュメンタリーか何かによってだった。核戦争の瀬戸際まで米ソの対立が深まったこの事件の時に国連大使だった彼は、キューバにミサイルを配備したのか否か、ソ連の国連大使に "Yes or no? Don't wait for the translation." と返答を迫った。 Wikipedia には
His most famous moment came on October 25, 1962, during the Cuban missile crisis, when he gave a presentation at an emergency session of the Security Council.
( http://en.wikipedia.org/wiki/Adlai_Stevenson )
と書かれていて、スティーブンソンといえばこの挿話、といえるほど名だたるもののようだ。キューバ危機を描いた映画「13デイズ」 Thirteen Days でも見せ場のひとつとして再現されていた。
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chaff を使った名言

前回、separate the wheat from the chaff という表現を紹介したが、半世紀ほど前に活躍したアメリカの政治家 Adlai E. Stevenson が、次のような言葉を残している。
"An editor is someone who separates the wheat from the chaff and then prints the chaff."
「編集者とは、玉と石を選り分けて」―ここまでは、なるほどそうだろうな、と読む者に思わせておいて―「・・・紙面に石の方を載せる人のことである」。このシニカルな言葉と直接の関係はないが、「ニューヨーク・タイムズ」紙のモットー "All The News That's Fit To Print" も何となく連想した。
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役に立つ chaff 役に立たない chaff

前回、window は「敵のレーダー探知を妨害する金属箔」も意味し、その同義語として chaff がある、と書いた。空中に撒いて敵のレーダー波をかく乱し探知されないようにするもので、第2次大戦の昔から使われていたとのこと。

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「窓」ではない window

北朝鮮のミサイル発射を伝える英文記事について続ける。今回北朝鮮は、「人工衛星」を4月4日から8日までの期間、それぞれ午前11時から午後4時までの間に打ち上げる、と関係機関に事前通告していた。 平和利用とのポーズを示すためと受け取られていたが、それはともかくとして、この予定期間を伝えるのに window という単語を使っていた記事があった。
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「制裁」とは正反対の sanction

北朝鮮のミサイル発射で、日本が経済制裁を強化することになった。これに関連して sanction という単語について短く書いておきたい。これまでも、「辞書を引かずにひたすら読む」だけでは誤ったイメージを抱きかねないと思う単語や表現を取り上げているが、これもそのひとつといえるかもしれない。
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consequence は「結果」でいいのか

前回に続いて北朝鮮のミサイル発射について。北朝鮮は今回、「人工衛星打ち上げ」の事前通告をしていたこともあって、日本を含む諸国がいろいろな外交努力を行った。 アメリカのクリントン国務長官は consequence を使って次のように発言し、テレビのニュースでも何回か耳にした。
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「ミサイル」と「ロケット」と「飛翔体」

北朝鮮が「ミサイル」を発射した。この前の発射の時も、英語にからめて何回かここで取り上げたが、早いものでもう3年前のことになる。今回、北朝鮮は「人工衛星」を打ち上げると予告していたが、日本やアメリカなどは長距離弾道ミサイルの試験とみて対応してきた。宇宙に人工衛星を飛ばす技術は基本的にミサイルと変わりないというし、核開発などこれまでの北朝鮮の行動を見れば、当然の対応だと思う。 打ち上げの計画が明らかになって以来、面白いなと思っていたのは日本のマスメディアの報道だった。私が見た範囲では、どの社もあくまで「ミサイルの発射」という位置づけで表現していたと思う。「事実上のミサイル」「人工衛星名目のミサイル発射」など細かい点で違いはあっても、記事の最初から「ミサイル」を使っていたことでは同じだった。
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悪文もまた文なり (「日本人なら必ず誤訳する英文」続き)

前回取り上げた「日本人なら必ず誤訳する英文」をめぐって、さらに雑多なことをいくつか考えたので書いておきたい。 まず、この本で面白いと思ったのは、著者自身が悪文、あるいはうまくないとしている英文が問題として取り上げられていることだ。
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【本】「日本人なら必ず誤訳する英文」

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)

  • 作者: 越前 敏弥
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2009/02/18
  • メディア: 新書
挑戦的な書名を店頭で見て思わず手に取った。この手のタイトルは売るためのものだから真に受ける必要はないし、大した内容でなければ書棚に戻して終わりだが、この本はパラパラとめくってみたところ面白そうだったので購入した。著者と編集者の勝ちである。 著者は、かの「ダ・ヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」などの訳者だが、塾や予備校での指導経験も豊富ということで、日本人によく見られる誤りを140の問題にまとめ、間違えずに訳せるかどうかを問うている。私は相当の高打率で問題を誤らずに理解できた(つもりだ)が、逆にいえば全問正解というわけにはいかなかったのがちょっとくやしい。
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プロフィール

tempus fugit

Author:tempus fugit
●こちらの更新は停止しました。http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/ で続行しています●
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「光陰矢の如し」を意味するラテン語由来の言葉が tempus fugit です。
学習・趣味・仕事で英語に触れていつの間にか三十数年。英検1級とTOEIC900点超を取得した今も上級者への道は遠いですが、これまで出会った印象深い単語や表現について書いていきます。

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