Archive | 2007年11月
日本語では文の最後を「〜と思います」といった言葉で締めることがよくある。使いすぎると、自信がない、あるいは確実でないという印象を与えかねないが、日本の言語あるいは文化の特徴だとすれば、一概に否定的にとらえるべきでもないだろう。しかし最近、これはどうも、と感じた例を立て続けに聞いた。
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横山秀夫の犯罪もの小説を紹介した流れで、今回は arrest という単語について書いてみたい。「逮捕する」とだけ記憶している人もいるのではないかと思うが、その他の意味もある。
先日紹介した「陰の季節」は犯罪もの小説だったので、その連想で、mug shot という言葉を取り上げてみたい。「顔写真」という意味だが、しばしば警察が撮っておく犯罪者の写真を指す。ミステリを原書で読む人にはおなじみの単語なのだろうが、私は初めて知ったとき、面白い言い方をするものだな、と思った。
短編「陰の季節」は、私が初めて読んだ横山秀夫の小説だ。ひと昔前、海外の出張先に持っていった雑誌に掲載されていた。何気なしに読み始めたが、すぐに引き込まれた。犯罪ものではあるが、その設定が何とも意表をついたものだったからだ。
北朝鮮による拉致事件にからんだ英語についての話を、先日に続いてもうひとつ書くことにする。蓮池さんと地村さん両夫妻が帰国したあとも、その子供たちは北朝鮮で暮らしていたが、1年半以上して出国を許され、親の元に戻ってきた。これを「帰国」と当時報道したマスメディアが多かったと思うが、これは適切なのか、また、英語で"return"と表現していいのだろうか。
最近、北朝鮮に拉致された日本人の家族会がアメリカを訪問した。これに関連して、relative という単語について書いてみたい。familyを「家族」、relativeは「親類」と覚えた人は多いだろうし、英和辞典にもそう書かれている。果たしてそれでいいのだろうか。
今回も遠藤周作の名作の英訳 "Silence" からだが、これは面白い表現というより、人によっては「意外な意味を持つ単語」にあたるかもしれないと思われたものなので、取り上げることにする。
遠藤周作の小説の英訳 "Silence" より、目にとまった表現の抜書きを続ける。前回書いたように、今回は英語として面白いというより、原文がどうなっているかという点に興味があったので、それぞれ本文を併記する。
このほど読んだ遠藤周作「沈黙」の英訳版 "Silence" から、目についた表現をいくつかあげていくことにしよう。日本語作品の英訳なので、読みながら印をつけたのは英語として面白い言い回しというより、「原作ではどうなっているのだろう」という興味を持ったものが中心となり、読了後にまとめて原文と比べてみた。
本は放っておくと増える一方なので、折に触れて処分するようにしているが、ページがすっかり黄ばんだ遠藤周作の「沈黙」は、ずっと本棚にある。高校生の時に初めて読み、凄い小説だと思った。この作品をマーティン・スコセッシ監督が映画化する予定だと聞いたので再び興味を持ち、今回は英訳のペーパーバック "Silence" を手に取ってみた。
「島原の乱」後のキリシタン弾圧のさなか日本に潜入したポルトガル人の神父は、日本人信者たちが捕らえて拷問にかけられ、苦しみながら死んでいくのを目の当たりにして、必死に祈る。しかし神はそれに応えない。なぜ神は彼らを救おうとせず、沈黙を守るのか。そう問うようになった神父自身、ついに捕らえられ、棄教を迫られる…という筋書きである。以下、ネタばれがある。
このところ、zillion など「数にちなんだ単語」を取り上げてきたので、その流れで、今回は one-upmanship という単語について書いてみよう。
前回、莫大な数を表す単語について取り上げた際に「ギガバイト」というパソコン関連の言葉が出てきたが、その連想で enabler について書いてみよう。といってもIT用語の「イネーブラ」のことではない。この単語、人間に対して使われる、ちょっと面白い意味があるのだ。
ある時「何かを可能にするもの」という類推ではしっくりこない英文に出会い、何のことだろうと辞書を引いてみた。しかし当時使っていた英和辞典にはそれらしい説明がなく、英英辞典にあたってみて、やっと意味がわかった。
前回取り上げた zillion からの流れで、莫大な数について書くことにしよう。子供の時、学習雑誌で「数の単位の一覧」という内容の記事を見た。「京」までは聞いたことがあったが、さらに上の単位は初めてだった。「恒河沙」「那由他」といった摩訶不思議な響きの単位があり、最も大きいものは「無量大数」であると知った。
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